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こんなお金の知識のない彼とは別れなさい!叱られバーへようこそ⑦

こんなお金の知識のない彼とは別れなさい!叱られバーへようこそ⑥https://nariko1.com/archives/4655 「えっ私がですか。」 響子はそばを食べるのをやめ、箸を置...

小久保に続き響子たちは恐る恐る店内に入る。カウンターとテーブル席が1つ。カウンターは6、7人でいっぱいだろう。意外と明るめの照明だ。
まだ時間が早かったため、店内には誰もいない。

「こんばんは。今日は職場の後輩2人を連れてきました。こちらが和田さん、こちらが川崎さん。」

と小久保はママに2人を紹介した。

「いらっしゃいませ、この店のママのなりこです。」

なりこママは冷たいおしぼりを1人ずつに手渡した。
ママは、ほっそりと背が高く見える。アイボリーのノースリーブワンピースからスッと伸びた腕、おしぼりに添えた指が細く白い。
髪は小池栄子のように少し外はねのボブだ。
銀色のイヤリングが似合う。
歳はいくつくらいだろう。アラフィフかな。
響子はぼんやり銀行のお局様たちと比べて思った。う~ん、同じアラフィフとは思えないな。

「お飲み物は?」

小久保はウィスキーのロックを頼み、響子たちはメニューを眺めて

「私はモヒート。響子は?」
「じゃあ、カシスオレンジをお願いします。」

はい、とママは言い、手早く飲み物の準備を始めた。

「で、お金に無頓着な彼氏を持っているのはどちらなの?」

といきなりママが切り出した。
響子はすぐさま隣の小久保の顔を見た。
あわてる響子を見て、

「あーこちらの女性ね。えーと和田さんだったかしら。」

ママは微笑んだ。

「小久保さん、話したんですか?」

響子は小声で小久保に言う。

「ああ、その方が早いから。」

小久保は屈託もなく言った。
小久保を挟んで左に座っていた麻子はクスリと笑った。
3人の注文の飲み物がそれぞれの目の前に出された。

「じゃ乾杯。」

という小久保の声に、響子は何に?と思いながらグラスをそっと近づけてカチッと鳴らした。

「ディーラーの彼、そんなにお金がないの?」

ママはいきなり核心に迫る。

「いやあの、この前初めてデートした時に、いきなりキャッシングしてたので驚いて。たまたま取れた日曜日の休みが給料日前だったみたいで。」
「へえ、銀行員の彼女の前でね。よほど無頓着なのね。」

ママは、笑顔だけど、目が笑ってない。怖いよ、と響子は心の中でつぶやく。

「悪いこと言わないから、その彼辞めときなさい。たぶん一事が万事、行き当たりばったりじゃないの?」
「えっでもいつもマメに連絡くれるし、優しいし。」

小久保は、なんだ、好きなのかよと心の中で呟いた。

「なんだ、好きなんだ。」

同じタイミングでママが言葉にしたので、小久保は驚いてママを見た。ママも小久保を見た。

こんなお金の知識のない彼とは別れなさい!叱られバーへようこそ⑧https://nariko1.com/archives/4676 やべ、ママは俺が和田響子に気があることを察知してる。 小...
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得子(なりこ)
得子(なりこ)
得子(なりこ)です。このブログを運営している、大学生の息子を持つワーママです。 2015年4月からMBA取得のため、仕事をしながら大学院で勉強しました。 2017年3月修了。MBAホルダーです。 2級ファイナンシャルプランナー技能士。