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こんなお金の知識のない彼とは別れなさい!叱られバーへようこそ⑧

こんなお金の知識のない彼とは別れなさい!叱られバーへようこそ⑦https://nariko1.com/archives/4667 小久保に続き響子たちは恐る恐る店内に入る。カウンターとテー...

やべ、ママは俺が和田響子に気があることを察知してる。

小久保はママから目線を外して、手に持ったグラスの氷を眺めていた。
麻子はそれぞれの表情を見比べながら、いちいち納得して、ふ~ん、そうなんだ~とニヤニヤしていた。

響子は、好きなんだ、と指摘されてドキドキしていた。
確かにお金に無頓着で、価値観が合わない人なら、もう気にする必要もない。
だけど裕二と話すのは楽しいし、さすが営業なのかも知れないけれど、こまめにLINEが来るし、電話もくれるし、とにかくマメなのだ。
例えば疲れた、と愚痴ると、甘い物食べて元気だしてね、とメッセージとともに、LINEからミスタードーナツのギフト券が飛んでくる。
原資がキャッシングかもと思うと、少し躊躇するが、休みが合わなくて直接会えなくても、離れている感じがしない。

「その彼が、どれだけ雑なお金の使い方してるのかわからないから、なんとも言えないわね。今度その彼連れていらっしゃい。その彼が和田さんに本気かどうか、宿題を出すから。」
「宿題ですか?」

響子は口にしたカシスオレンジがむせて、咳をしてしまった。

「大丈夫?」

小久保が響子の背中を軽く叩いた。

「だ、大丈夫です。」

響子は、バッグからハンカチを取り出して口をぬぐった。
その時、カラン、とドアが開き、男性が1人入ってきた。

「いらっしゃいませ。」

「そろそろ混む時間帯かも。明日も仕事だし。」

麻子は小久保に小声で言った。

「そうだな。ママ、ちょっとこの2人を下まで送ってくる。」
「小久保さんは?」

麻子は、小久保に尋ねた。

「俺はもう少し飲んで帰るよ。さっきの商店街まで送れば帰れるね。」
「はい、ありがとうございます。」

響子と麻子は立ち上がった。

「じゃ、ママ。すぐ戻ります。」
「ええ。ありがとうございました。またいらっしゃい。」

3人が、どやどやといなくなり、バーはママと先ほどの男性だけになった。

エレベーターを降り、ビルを出て来た道を戻る。行きがけより、中洲の人通りは増えていた。
博多川の橋まで来た。渡ると先ほどの商店街だ。

「ここで大丈夫です。小久保さん、今日はありがとうございました。ごちそうさまでした。」
「ああ、気を付けてね。また明日。」
「はい、失礼します。」

こんなお金の知識のない彼とは別れなさい!叱られバーへようこそ⑨https://nariko1.com/archives/4687 響子と麻子は、商店街の方へ歩いて行った。まだ9時前だから地下鉄...
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得子(なりこ)
得子(なりこ)
得子(なりこ)です。このブログを運営している、大学生の息子を持つワーママです。 2015年4月からMBA取得のため、仕事をしながら大学院で勉強しました。 2017年3月修了。MBAホルダーです。 2級ファイナンシャルプランナー技能士。