しあわせのパン

しあわせのパン

「朝活コミュニティ」の方がおすすめしていた映画の鑑賞第二弾。
自分では絶対見ようと思わない映画(笑)
私は、逆転サヨナラホームラン的な映画が好きなのだ。
見ててスカッとする、努力が報われる、戦いに勝つ、そんな映画。
残念ながら、そういう映画ではないことは、キャストが原田知世と大泉洋というだけでわかる。

北海道の、東京からやってきた夫婦が営むカフェが舞台

そこでの常連客との静かなやり取りや、夏、秋、冬それぞれにかかわったお客様との心の通い合いには、なんともゆるやかな空気が流れている。
ここのカフェは、本当に忖度が素晴らしい。

夏。彼氏と沖縄に行くはずだったのに、なぜか一人で北海道にやってくる、東京の百貨店で働く女性。
要はフラれたのであろう。
カフェに訪れたお客の一人であるバイク青年と、いい雰囲気になっていく過程に、ちゃんとカフェの夫妻がかかわっている。

「素朴なパンもいいですよ。」
と焼きたてのパンとコーヒーを差し出しながら、りえさん(原田知世)が言う。
素朴なパンとは、バイク青年のことを言っているのかな。
とにかく、そのお客の今の心にあったものを出す、すごい能力のあるカフェだ。

秋。通学のバスに乗らない小学生の女の子

行きたくないんだ。
と察したりえさんは(なぜ察することができるのかすごいんだけど)温かいミルクを女の子に出してあげる。
女の子の家庭は、お母さんが出て行って、お父さんと二人暮らしなのだ。
それで不安定になっている。
「お母さんの作ったかぼちゃのポタージュが食べたい。」
とお父さんにお願いするが、大人の事情でもう叶わないようだ。

普通、子ども置いてお母さんは出て行かないと思うが、よほどの事情があるんだろうなあと思いながら見ていた。
そして家庭が不安定だと、子どもにすぐ影響がでるんだ。

ここでもこのカフェはすごいことに、住所が書いていない、女の子宛ての手紙を郵便屋さんに託す。
田舎はそれで届くのかなあ。
女の子は、手紙を見てカフェに行くのだが、そこにお父さんがやってくる。
そしてお父さんにも手紙を出していたのだ。
カフェにいらしてくださいって。
ふたりは、かぼちゃのポタージュを食べる。
お母さんとは違う味。
だけどそれを受け入れる。
現実を受け入れて仲間として二人で生きて行くことを決心した親子。
見事なカフェです。

冬。豪雪の中、老夫婦がやってくる。

でも様子がおかしい。
死ぬ気では、と察するのだ。
それを思いとどませたのは、焼きたてのパン。
「明日も食べたい。」
と言った妻の言葉に涙する夫。
昨日できたことが今日できなくなる老いへの不安。
生きていても仕方ないのではと思いつめていたのだ。

私も忙しい忙しいと言っているが、いつか、何していいかわからなくなるほど暇な日が来るのかもなと思った。
子育てに忙しかったあの時間。
1時間でいいから一人になりたいと思ったあの日。
それが、土曜日の今日、息子はバイトでいないし、夫も趣味のことで出かけ、私は家事をしつつ自由な時間を謳歌中。
振り返れば、息子が小さいころの時間は二度と戻らない貴重な時間だったなあ。

人生のほんの一瞬をこのカフェで過ごすことで、新しい明日が見える、すごいカフェだ。

そして春。二人に素敵なお客様が訪れることがわかったところで物語は終わる。

とりあえず、今日はコーヒーを丁寧に入れてみることから始めてみよう。

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得子(なりこ)
得子(なりこ)です。このブログを運営している、大学生の息子を持つ働く母です。
2015年4月からMBA取得のため、仕事をしながら大学院で勉強しました。
2017年3月卒業。MBAホルダーです。
2級ファイナンシャルプランナー技能士。
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