『わかりやすさの罠』を読みました。
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わかりやすく話すのはいいのだけど、話を聞いて、わかった気になって、それ以上思考するのをやめてしまうのが気になる、と著者の池上彰さんはいいます。
聞いた後、自分はどう思うのかを考えることまでしないとダメなんだな。
本によると、ニュース番組でも台本があるそうですね。
さすがに、決められた時間内にキャスターが解説者やゲストに質問し、スムーズに答える流れを見ていると、全部決まってるんだろうなと予想はされる。
NHKのニュース番組は、特に正確性を追求した台本を作るそうです。
見ている側からすると、まるでセリフの棒読みのようなアナウンサーの質問に、もっと面白い質問すればいいのになと思うのですが、実はアナウンサーも自分が聞きたい質問を聞いているわけではないということがわかりました。
解説する人が質問を読ませているのです。
情報として信頼できるニュースを流すことを使命としているのでしょうね。
逆にしゃべりが上手で見た目も良い人の話は、鵜呑みにしてよいのか、よく考えなければならない。
政治家も同じかも。
アメリカ大統領選挙の話も書いてありましたが、ヒラリーの格調高い演説に対し、トランプは関係代名詞も使わない、小学生でも理解できる英語で演説したそうです。
たぶんその方が有権者にわかりやすいから。これこそわかりやすさの罠。
年金は100年安心、と言っていた2004年当時の政権。
いまだに覚えています。とても耳なじみがいいから。
耳障りのよい言葉は、本当?と一旦考えないとね。
100年安心なわけがない、と当時からこつこつ貯金していました、私(笑)。
現場から見えること
2000年夏、ベトナムに行った池上さんは、昼休みの間、木陰で本を読む若者がたくさんいること、そして立ち寄った本屋で、若者が英語の参考書を万引きして捕まっているところに出くわします。
万引きしてまで読みたいんだ、ベトナムはこれから伸びるに違いない、と確信したそうです。
ベトナムのGDPを調べたら、本当に右肩上がりでした。冒頭の写真のグラフの通りです。
これも現場に行ったからわかることでしょうね。
私もビジネススクールにいたころ、地域政策の勉強をしていたときに、何度もチューターに「現場に行け」と言われていたことを思い出します。
課題も答えも現場にしかない、それがあの講義で学んだことでした。
本当かどうか、何冊も本を読んでみる、現場で当事者に話を聞く、考えてみる習慣をすすめます。自戒を込めて。
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