学生時代、とにかくお金がなかった。
授業料はバイトと奨学金でまかなった。
教科書は無いと困るので仕方なく買った。
時給450円で、2000円のテキストを買うには、何時間働けばいいの?と涙目になりながら購買部で買った。
成人式の着物もバイトして分割で買った。この着物は、卒業式も、友人の結婚式も、自分の結納でも着た。感慨深かった。
自動車学校のお金も自分で作った。
免許は私の中で優先順位が低かったので、卒業と就職がきまってから、ギリギリに取りに行った。他の人はその時期、海外へ卒業旅行に行っていた。時間が足りなくて、卒業式の日も自動車学校へ行った。2次会のドレスを着て行って、教官に驚かれた。
服を買うお金がないので、毎日Gパンで通学していた。
毎日バイトしていたので、本を読むために大学に入ったはずなのに、読む時間がない。
就職して地元を離れて一人暮らしをした。
手取り9万円でどうやって暮らしたのか、よく覚えていない。母が米や缶詰を送ってくれたのは覚えている。新聞を取るのが目標で、就職3年目にやっと新聞を取れるようになった。
生きていくことに必死だった。
やっぱり本を買う余裕はなかった。
好きなだけ本を買うのが夢だった。
近くに図書館もなかった。
今、私が住む自治体は図書館が充実しているのでとても嬉しい。
ネットで予約もできる。
読みたい本は迷わず買う。
そう、買うことができるようになったのだ。
電子書籍でも買う。通勤時にスマホの読み上げ機能を使って耳でも読む。
料理を作りながら、身支度をしながらでも。
スキマ時間に本が読める。なんて幸せだろう。
本を好きなだけ買えるようになった。
どんなにつらくても働き続けたからこそ、その夢は叶ったと思う。
どうか働きたい人が働ける世の中でありますように。
働くママが能力を発揮できる世の中になりますように。