東京日本橋の、三井記念美術館に行ってきました。
「枝もなく 葉もなく花もちりうせて 心の花を活けてこそ花」
利休も花を生けずにお茶をたてたことがあるというエピソードがあったが、それを意識しての銘なのだろうか。
不昧作、竹筒花入(銘心の花)には、この句が添えてあった。
心の花。私も枯らさず、いけたいものです。
松平治郷(はるさと)
隠居後不昧と名乗った松江藩主
今年、没後200年なんだそう。
「雲州蔵帳」を作成し、松平家所蔵のお道具をランク分けして書かれている。
その名物とされた茶道具類を見る機会が
今期の三井記念美術館の展覧会である「大名茶人 松平不昧」です。
まず始めに目にしたのが油滴天目。
見覚えのある茶碗だと思ったら、やっぱり、九州国立博物館からの展示だった。こんなところで会えるなんて♡嬉しかったなあ。
信楽水指(銘三夕)
新古今集の、「秋の夕暮れ」三首が銘に。
夕暮れのような赤みをした水指だからでしょうか。
寂蓮「さびしさはその色としもなかりけり槙立つ山の秋の夕暮れ」
西行「心なき身にもあはれは知られけりしぎ立つ沢の秋の夕暮れ」
定家「見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮れ」
ひさしぶりに和歌を思い出しました。
銘一つ一つに意味があり、知識や教養を試されますね。私はちっとも知らずに今調べながら書いているところです。
プロデューサーとしての不昧
お道具収集のほか、自分でお道具をプロデュースして作らせたお好みのものの美しいこと。
特に螺鈿の細工がほれぼれする。
お抱えの職人は、代々大工や漆塗りをやっている家系。
塗師の小島漆壺斎(しっこさい)、木工細工の小林如泥(じょでい)、布志名焼の土屋雲善。
その才能や技術は先祖代々伝えられていくんだろうな。
私は努力で何とでもなると思っていたが、持って生まれたものというのは、かなわないなと本当に今頃そう思うのだ。
だからってあきらめて何もしないのはちょっと違うし、くやしいと思う。
結局、私は何物にもならずに一生を終えることになるのかもな。
でも学びを仕事に取り入れ、自分なりの工夫と努力をしながら、私という人生を過ごすのだ。
不昧のお好み茶器を眺めながら、分をわきまえつつ、目の前のことを一生懸命やろうと改めて思った。
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