先日、課題でスタバのマーケティングミックスについて書いた。
スタバは、「汎用品の高級化路線」に成功した。私が言うまでもない。
しかし、ケーススタディに出てくる、第三の場所とか、バリスタとの楽しい会話とか、実は体感したことがない。
2000年ごろ、福岡にもスタバがやってきた。
新しもの好きの福岡の人たちが押し寄せるため、店内を覗いても全然座ることができなかった。
いつ行っても混んでいるので、スタバに入ることをあきらめていた。
息子がまだ1歳かそこらの頃、天神でベビーカーを押していた私は、ジュンク堂で本を買った後、同じビルの1階に入っているスタバに寄ってみることにした。
やはり席は満席。持ち帰りでアイスコーヒーを注文した。夏だったし、すぐぬるくなるのもいやだったので、持っていたタンブラーにアイスコーヒーを入れてくれるようにお願いした。
バリスタはタンブラーを開けだまって水でゆすいでアイスコーヒーを入れた。
なんだか恥ずかしかった。
汚いと思われなかっただろうか。
ベビーカーで来ていること自体、場違いではなかっただろうか。
もう居たたまれなかったことだけは覚えている。
もし、あの時「お子さん連れで大変ですね。」とか「タンブラーちょっと濯がせてもらいますね。」とか言ってくれたら、どんなに救われただろう。
苦いコーヒーのような思い出である。
それ以来、スタバから遠ざかった。
息子は、マックのおまけのついたハッピーセットが大好きだったので、マックばかり。
デフレの時代。スタバとはコスパが全然違うのと、やはり小さい子を連れて行ってはいけないような気がして。
ずいぶん時は経ち、ベビーカーに乗っていた息子は高校生になった。
私は一人で買い物をし、夕飯までには少し時間があるという、ある土曜日、ふらっとスタバに寄ってみた。
スターバックスラテを頼んだのだが、注文を受けたお兄さんが
「ラテって牛乳だとご存じですよね。」
と聞く。そんなのわかっている。なぜそんなことを聞くのか?私の頭の中ははてなマークでいっぱいだった。
ラテもわからないおばさんと思われたのだろうか。今だになぞな一言である。
というわけで、私はスタバに良い思い出がない。
スタバのケースによれば、20~40代の大卒働く女性、というターゲットに私はドンピシャのはずなのに、なぜか私には全く響かないのである。